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【気】


天風哲学では

宇宙並びに、この世界を形成する

あらゆる力というものは、

それが何の種類であるとを問わず、

すべて【気】というものから生まれるという。


そしてこの【気】というものは、

放射性能を固有する流動性のものだ。


古来では、霊気とか、精気とか、また生気とか称し、

さらにある一派の哲学者からは、先天の一気と呼ばれている。

いずれにしても、この【気】というものが、一切の生物を生みだし、

そして、その生命を活かしている究極的根源なのだ。


さらに、

人間の生命も、またこれと同様の原則的理由で形成されている。


そして、

「ここから天風哲学の面白いところ!」だ。



宇宙現象の根源をなす、この【気】というものは


【(+)プラスの気】と【(−)マイナスの気】の2種類に分別される。


●【(+)プラスの気】は【建設能造の働き】を行い、


●【(−)マイナスの気】は【消滅崩壊の働き】を行って、


【生成化々の現実化のため】、常に【新陳代謝】を行っている。


宇宙がこの【気】でできているため、

同じ宇宙から生まれている、

われわれ人間も、同様の影響を受けているものだ。


つまり

人間の心の中の観念が、

消極的だと、宇宙のマイナスの気と生命が無条件で結合する。

また、積極的だとプラスの気と即座に結合する。

だから、

消極的観念が中心の人は、運命や健康に優れないことが多く、

反対に積極的観念の人は運命や健康が良好な人が多いのだと天風哲学ではいう。


観念とは

【気持ちの集結したもの】だ。


人間の観念が【気】というものから形成されている以上、

その気に同じ気が結集融合するのは、火を見るより明らかだ。


わたしは

「なるほどっ!」と思った。

私の知人のひとりは、

会えば自分の体の不調を朝から晩まで言っている人がいる。

そういえば、彼の口から出る言葉は消極的な言葉ばかりだ。

運命も良いとは言い難いなあ。


反対に、別の知人は、とっても積極的だ。

会えば、けっしてマイナスの話はしない。

常に積極的な話をしている。

顔もツヤツヤで健康そのものだ。

仕事も意欲的かつ真面目に取り組んでいる。
マイナスのことがあっても、学びのチャンスと捉え、
コツコツと事業を盛り上げている。

やはり彼は、いつもニコニコとしていて幸せそうだ。


精神態度が積極か消極かが違うだけで、
こんなにも人生が違うのかと、わたしは思う。

その理由は宇宙を構成している【気】なのだ。


天風哲学では、

この【気】を科学的にいえば、

プランク常数Hであるという。

超極微粒子のことだ。


この超極微粒子【プランク常数H=気】が、
宇宙空間に充満し宇宙を形成しているのだ。


この気が充満している宇宙空間を

【空(くう)】という。

見えざる実在だ。

これが宇宙の実相だ。


そして、

この超極微粒子【プランク常数H=気】は

エネルギーそのものだ。


だから、

この宇宙の万象万物のすべてが、

その存在を表現するのは、

このエネルギーの結合融和の結果であり、

また万物万象のその形が異なるのも、

そのエネルギーの作用だという。


さらに、

哲学でいう【縁】というのも、


万象万物の根元である

超極微粒子【プランク常数H=気】というエネルギーの

離合集散の調和現象に対する名称であるという。


万象万物の存在も

超極微粒子【プランク常数H=気】の集積だ。


その集積というのは文字通りの集積で、

決して独自の存在ではない。

つまり

お互いに協調し扶助しあっての存在だ。


だから、

いっさいの物も事も、その協調と扶助が完全である時に、

【安定】という事実が生まれるのだ。


さらに、

物や事の推移変転するのは、いっさいの物や事を

【完全化】しようとする宇宙に存在する自然現象である

【調和の復元】という作用の表れだ。


つまり

諸行無常の変化変転というのは、現象の完全化なのだ。


宇宙は

完全(真善美)へと向かい

宇宙の進化向上を現実にするために、

建設と破壊という新陳代謝作用(メタボリズム)を

繰り返しながら向上しているのだ。


宇宙の一存在である

われわれ人間の心の中にも、真善美が与えられている。

そして常に進化と向上へと我々の本当の心は向かっている。


われわれの本当の心は積極の方向へと向かっているのだ。


一個人としての人生も、


倒産、借金、貧乏、煩悶、苦労、失敗、

病、失恋、離婚、別離、死別、人間関係のトラブルなどの


マイナス要因があったとしても、

心ひとつの置きどころ、つまり思い方、考え方、ものの見方を

今までの人生からの学びや教わりと考えることにより、

苦をも楽しみと感謝に振り変える

積極的な考えへと変えることにより、

われわれは真善美へと向かうことができるのだ。


また、わたしは天風哲学の以下の言葉が好きだ。


「人生とは、飽くまで現実の世界である。

 即ち自分が現に生きているという

 現実が繰り返されている世界である。


 そして然も、始終、

 厳粛な真理に依って支配されている世界である。」


「現実の世界のことは、

 現実の手段以外で之を解決する手段も方法もないのが、

 絶対の真理であるからである。」



真善美の


真とは本当のこと。

美とは調和のこと。

善とは無条件の愛だ。


われわれは、

この真善美に向かったり、表現したり、近づくと

気分が良くなったり快と感じるという自然傾向がある。


そして、われわれ人間には、

この宇宙の進化向上を現実化するという

使命が与えられている。


この使命である進化と向上を現実化するために、

われわれは、生まれてきたのだと天風哲学は説く。


この進化と向上を現実化するには

真、善、美に近づく行為を行うことだ。


それは何もむずかしいことではなく、

世のため人のためになることを、

自分の持ち分で、できる範囲で

日常生活で言い且つ行うことを

心がけることだけで良い。


そして、

人の世のためになることを言い且つ行うことを、

自己の人生の楽しみとする気分になるのだ。


つまり

人の喜びを自分の喜びと感じればいいのだ。


このような行為を

相手からの報いを求めずに行うと

「何とも言えない爽やかな良い気分」を味わえる。

これだけでも充分な報いを与えられる。


すると我々の本心良心(霊性心)が充たされ、

とても幸せな気分で生きられるのだ。


これが、一番、精神的に充たされる生き方だ。

ここには、失望や落胆がなく、焦りや煩悶もなく
精神的疲労も消耗もない。


この

人の喜びを我が喜びとするという生き方は

最も新しく、最も古い古代より未来へと一貫する

不易の生き方であり人生哲学と人生科学の真髄なのだ。


そして、この生き方は

宇宙あるいは人類の

進化向上を現実化するお手伝いをすることであり、

【創造の生活】の実践でもあるのだ。




わたしは、

この宇宙の進化向上を現実化するために

これからもますます

【真善美】と【自己向上】を念頭におき、

わたし自身の天分と持ち分をわきまえ、

自己を磨き、

よりクリエイティブに

宇宙のクリエイターとの共同創造をしよう!


「ひたすらに人のため活きなんと

      思う命に光あるかな」


「真の幸福は、その真理を、只管一心に実践する者のみに恵まる。

 吾等はこの犯すべからざる人生の真諦と尊厳な鉄則とを

 心の底に服庸し、怠りがちな心に鞭打って、強さと長さと

 広さと深さのある現実の生命を建設し、偉大にして輝かしい

 人生幸福のゴールに到達しよう。


 そして、それを、吾等の魂のひたむきな祈りとしよう。」



「明日、明後日を考えるな。


 まして一ヶ月先を思い悩んで

 苦しむのは取り越し苦労だ。


 今日までどうにか生きてきたのだから、


 今日一日を明るく生きて行けばよい。


 この世の中は進化と向上の原則に従って進んでいる。


 人間も今日の自分より明日の自分と、

 精進努力すべきである。


 十年一日の如しというが、

 十年には十年だけの進歩と成長がなければならぬ・・・」



                          完





(引用及び参考文献 中村天風著『真人生之探究』非売品、『天風哲人 箴言注釈』より)


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